読書家の友達におもしろいよ!と勧められたオーディブルの『正体』がおもしろかったので、同じ作家さんのオーディブルを聞きました!
感想を書きます。(少しのネタバレも嫌な方は、ご注意ください!)
ストーリー
世の中を騒がせている半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが殺された。警察は暴力団や半グレ同士の抗争と見て捜査をはじめるが、それを嘲笑うかのように次々にメンバーが殺害されていく。疑心暗鬼になっていくメンバーたち。そして、犯人を持ち上げるSNSの住民たち。罪を犯した者を殺すことは、死者への「鎮魂」となるのか?『正体』の作者による社会派サスペンス。
感想
・物語のメインキャラクターとして半グレに人生を台無しにされた過去を持つ者が出てくる。
人違いで渋谷のクラブで集団暴行され一命を取り留めたものの自殺した弟を持つ兄、それに、学生時代に、親友が不良集団に集団暴行され、廃人と化した親友を持つ者。
原因となったのは半グレ集団の「凶都連合」だ。
彼らを殺していくことが、自殺した弟の「鎮魂」になるというのがテーマで、タイトルにもなっている。
果たして、復讐とも言える殺人が許されるのか?
殺人が本当に「鎮魂」となるのか?
小説の中に、そういうテーマが潜んでいて、自分だったらどうだろう、と考えさせられる。
なるほど、これが社会派サスペンスか。。。
・サスペンスというだけあって、結末は結構予想外な展開になった。そして、あれとこれが繋がっていた、とか、実は半グレの事業と警察の関係で接点があったのか、とか、冒頭や半ばで出てきた伏線の回収が後の方にどんどん出てくる。
やっぱり構成力がある作家さんだな、と思う。
・ただ、このキャラクターはなぜこのような行動をとるのか?について、聞き終わっても、なんだかそこまでする気持ちは理解できないな、ということもあった。まあ、すべてのキャラクターの気持ちを理解することは難しいでしょうけど、そういうキャラクターが多めの作品でした。おそらく、半グレの気持ちがわからない、ということです。
・オーディブルで聞くということの楽しみの一つは、朗読!
しかーし、悲しいかな、私はあんまり好みの朗読ではなかったです。。
淡々としすぎていて、キャラクターによって朗読もあまり変わらないし、何より、「・・・」を「てんてんてん」と読むのは、ちょっとびっくりした。シリアスな作品なのに・・・。
レビューでも酷評が目につきました。
・あと、オーディブルだから、キャラクターの名前の漢字がわからない。読書感想文を書くとき、いつもハッと思うことです。今回は、オーディブルのあらすじを読むまで「京都連合」だと思っていて、なぜ京都?と思ってしまっていた💦 ごめんなさい、京都・・・。
総じて、ストーリーは十分おもしろかったのでおすすめです!
ただ、ナレーション、ちょっと聞いてみて、大丈夫そうならそのまま聞いて、合わなそうでしたら、目で読んだ方がいいかもしれません。
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