【オーディブル感想文】杉村三郎シリーズ第二弾『名もなき毒』(宮部みゆき著)

読書感想文

最近、オーディブルで小説を聞くのが好きです。

第一弾の小説がおもしろかったので、続いて第二弾を聞きました。

感想を書きます。(少しのネタバレも嫌な方は、ご注意ください!)

ストーリー

「今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。折しも街では無差別と思しき連続毒殺事件が注目を集めていた。『誰か Somebody』から約一年後の出来事を描き、テレビドラマ化でも話題となった人気の杉村三郎シリーズ第二弾。人の心の陥穽を圧倒的な筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。」

(オーディブルのサマリーから引用)

感想

・やっぱり主人公の杉村に好感を持てる!

第一弾の時も思ったのですが、やはり、主人公の杉村三郎のキャラクターが好印象で、頑張れって応援しながら聞き進めることとになりました!

・ストーリーもタイトルもよくできている!

毒を使った殺人事件だから、名もなき毒というタイトルなのかと思ったら、そんな単純なものではなかった。様々な「毒」がストーリーに散りばめられていた。
青酸カリ、原田の杉村への異常な負の感情、毒殺事件の犯人の社会環境、土壌汚染、シックハウス症候群、いじめ・・・
読後、これらは私たちの周りに撒き散らされている「名もなき毒」なんだとわかって、宮部氏のストーリーテリング、表現力に恐れ入りました。

・描写が素晴らしい!!朗読と相まって、エンタメ度が増大!!

会長と杉村の会話は印象深い内容が含まれていることが多い。本作では、権力の意味についての会長の考え方が印象に残った。ある人間は、毒を混入して人を殺すという立場、権力に飢えていて、他人を犠牲にする地位を欲するものがいるということ。それには、対抗できないということ。

トラブルメーカーの原田の父親が娘と絶縁した時のエピソードの朗読場面では、手に汗握りました!
人物の気持ちや場の雰囲気の描写がとても巧みで、多分映像化するより文章のほうが迫力があるのではないか、と思うほど豊かな表現力です。

引き続き、次の第三弾も聞くことになりそうです😊

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