読んだ本について学んだことを残すため、記録します!
もちろん、感想も書きます!
選書の理由
タイトルと著者
『私は負けない「郵便不正事件」はこうして作られた』
著者は、村木厚子さん、聞き手・構成は江川紹子さん
知りたいこと
・村木さんは、起訴されれば99%の有罪になる制度の中、無罪をどうやって勝ち取れたのか?
・取り調べとはそんなに過酷なのか? 虚偽の証言を言わされるほど?
・今後、司法制度の改善のために何が必要か?
学んだこと
なぜ村木さんが裁判で無罪を勝ち取れたのか?
以下の6つの「幸運」があったからとのこと(まえがき)
①心身健康であった
②安定した収入がある家族がいた
③素晴らしい弁護団
④客観的証拠を重視する裁判官が担当
⑤家族の200%の信頼・協力
⑥友人・職場のサポート
信じられる司法制度に必要な3つの課題とは?
①全面的な証拠開示
②取り調べの全過程の可視化
③人質司法の問題(身柄拘束への慎重さが必要)
感想
■村木さんは、上記の6つの幸運があったから無罪を勝ち取れたと言っており、衝撃を受けました。罪を犯していないのであれば、上記の幸運が揃う揃わないに関わらず、無罪になるべきなのに。。
特に、④客観的証拠を重視する裁判官が担当する、については、被告人側で選べるわけもなく、完全に運だ。
「幸運」でなければ、無罪を勝ち取れない仕組み、これはとても怖いこと。自分もそのような立場になってしまうことがないわけではないのだから。。
■司法制度の改善について、全面的な証拠開示がなければ、客観的証拠を揃えて被告人側は戦えない。全面的な証拠開示がないことの方がおかしい。
取り調べの全過程の可視化が必要とされるほど、検察側とのやり取りは、公平にされるとの信頼がないのか、国家権力の強大さを考えれば、全過程可視化は当然なのかもしれない。
身柄拘束は、基本的人権の侵害である。身柄拘束は取り調べ目的ではないけど、実際、取り調べが行われるのが実態。身柄拘束へ慎重な姿勢が必要、というのも納得。
なお、村木さんの部下の上村さんの被疑者ノートの中で、自分の健康状態をいつも、「悪い」その他、頭痛、下痢、眠い、だるい等、記録しているのが、身柄拘束が被疑者に及ぼす影響を示していると思う。
■過酷な状況の中で、密室で、虚偽の自白が誘導されてしまう、客観的証拠も制限されてしまう、一旦自白して撤回するための証拠もない、それゆえ罪を犯してなくても有罪となってしまう、そんな構図となっているのがよく理解できました。
私は、大学で憲法や刑事訴訟法を学んだのですが、学問の場で謳われているのは、基本的人権の尊重と真実発見(捜査の必要性)の調和。
実態は、調和が取れておらず、基本的人権が制限されているのでは?
さて、正義はどこにあるのでしょうか?
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